入れ歯(義歯)の種類
金属床義歯
金属床義歯とは、床の部分を金属で作った入れ歯です。すべてレジン(プラスティック)で作成した保険の入れ歯に比べて、丈夫な素材である金属を使うため快適で、たわまず、丈夫な入れ歯をつくることが可能になります。また金属床はレジンの約1/2の薄さで作成できるため、仕上がりに違和感がなく、口のなかを広く感じさせ、熱の伝わりも良く一層おいしく食事を楽しむことができます。
また、保険の部分入れ歯の場合は、残っている歯にバネを引っかけ健康な歯に負担をかけますが、金属床の入れ歯は、その残っている健康な歯にあまり負担をかけないようなデザインが可能です。さらに、部分入れ歯を固定するためのバネを目立たないように仕上げることができます。
使用する金属の特徴
- 金(白金加金)・一般的な金属床に使われます。金は加工性に優れているだけでなく、酸化せず腐食しないため変色が起こりません。機械的な破損がないかぎり、長く使用できる材料です。
- コバルトクロム・金よりも安価なため一般的によく使用されます。熱伝導率も優れ、加工性も良いため部分入れ歯にも使用できます。
- チタン・軽く人体に対しても優しいので、最近よく使われます。とくに軽いという点で、上あごの入れ歯に向いています。ただし弾力性の点で、部分入れ歯には適さないこともあります。
金属床義歯
治療期間:1ヶ月半、通院回数:5回
価格:30万円(税別)
- 治療内容
- 薄くて壊れにくい義歯を希望したため金属床義歯を作成。型を精密に2回取り、かみ合わせの確認や見た目の確認などを経た上で装着。
- リスク
- 保険の義歯に比べ費用がかかる。アレルギーの場合に適応できないことがある。
装着前
装着後
マグネット式入れ歯
スマイルラインを美しく、見た目に良い金具のない入れ歯です。従来は金具で支えるものが主流でしたが、入れ歯も進化し次世代型は小型磁石の磁力で装着させます。入れ歯に磁石を埋め込み、金具が無く見た目、機能性、快適性に優れています。現在残っている歯に磁石と相性の良い磁性金属を埋め込み、入れ歯側に超小型磁石をつけ、磁力で安定させます。
特徴
- 見た目が自然で綺麗、金具がない入れ歯です。
- 従来の入れ歯に比べて装着が簡単です。
- 固定する金具を使用しないため、食べカスなどが付きにくくお手入れが簡単です。
マグネットデンチャー(裏側)
治療期間:2週間(マグネット設置のみ)、通院回数:2回
価格:1歯8万円(税別)別途義歯の費用
- 治療内容
- 神経のないしっかりした歯にマグネットがつくための土台を装着する。マグネットは義歯の方に装着する。
- リスク
- 神経がある歯の場合は神経を取る必要がある。マグネットがつく部分の義歯の厚みが薄くなり強度が低下する場合がある。
装着前
装着後
フレキシブルデンチャー
欧米を中心に実績がある、審美性と機能性の両方を兼ね備えた今までにない発想の入れ歯です。従来型では金具で支えるものが主流でしたが、入れ歯も進化し、次世代型は金具を使いません。フレキシブル義歯もその一つで、金具を全く必要としません。これまで入れ歯の素材はレジン(プラスチック)でしたが、フレキシブルデンチャーはナイロン素材のため弾性に優れ、金具を使用しないため見た目に美しく、金属床に比べ比較的安価で作成できます。
特徴
- 金具がないため見た目が自然で綺麗です。
- 複雑な金具を使用しないためお手入れが簡単です。
フレキシブルデンチャー
治療期間:2週間、通院回数:2回
価格:10万円(税別)
- 治療内容
- 金属の見えない義歯を希望したためフレキシブルデンチャーを選択。
- リスク
- 修理が難しい。
装着前
装着後
インプラントオーバーデンチャー
総入れ歯の場合はバネを引っ掛ける歯がないため落ちやすかったり、外れやすかったりします。
上の総入れ歯はくっつきやすいことが多いですが、特に下の総入れ歯が動きやすいと言われています。
なるべくかめる入れ歯で食事をしたい方にはインプラントオーバーデンチャーという方法で総入れ歯が外れないようにすることが出来ます。
治療期間:3ヶ月、通院回数:5回
価格:1本 25万円(この症例は2本のため50万円)(税別)
- リスク
- インプラントを埋め込む必要がある。インプラントの本数が少ないと壊れたりしやすい。
入れ歯を支える土台を埋め込みます。
インプラントが入った状態
下の義歯は2本、上の義歯には4本必要になります。
模型表側
義歯の表側は通常のものと同じようですが
模型裏側
口の中にあるパーツの部分が義歯の裏側にあるパーツに引っかかり義歯を支えます。