歯を失う原因

むし歯と歯周病

歯を失う原因の殆どはむし歯と歯周病です。つまりこの2つを防げれば歯を失うリスクは大きく減らすことができます。しかし、他にも歯を失う原因はいくつかあります。

むし歯

むし歯はかつて歯を失う大きな原因でしたが、予防歯科の広まりによりむし歯の本数はかなり減って来ました。しかしむし歯治療を繰り返すことで歯を失うリスクは大きくなっていくので、むし歯にならないようにご自宅での歯みがきと医院でのメンテナンスをしっかりと行うことが大切です。

歯周病

現在、歯を失う原因で一番多いものは歯周病です。
むし歯は毎日の歯みがきでかなり予防ができますが、歯周病は歯ブラシでは除去しきれない歯石が原因となります。
むし歯のない方でも、定期的に医院に来ていただき、しっかりとケアしていただくことで万全の予防体制になります。

外傷

ラグビーやアメフト、空手やレスリングなどのコンタクトスポーツと呼ばれる競技では選手同士の衝突などの事故により歯が欠けたり折れたりすることがあります。また、不慮の事故により歯を失うこともあります。
どちらの場合でも、できるだけ歯を捜して持ってきてください。
さらに、乾燥させないようにして、なるべく早く受診してください。
とっさの時には、牛乳と覚えておくと簡単です。

歯根破折

そのほかに歯を失う原因として多いのが歯根破折です。
あまり聞かれたことが多くないと思いますが、これが原因で意外と多くの歯が駄目になっています。
むし歯で神経まで細菌が入ってしまった歯は神経のある歯に比べてもろくなってしまっていることが多いため、硬いものを咬んだり、歯ぎしりをしたり咬む力が強い人に多く起こりやすいです。
またまれに神経のある歯でも表面から少しずつ歯が欠けてきてある時むし歯のような痛みが出る場合もあります。
初期ではレントゲンにも映ってこないことが多いため診断が難しい場合もあります。

典型的な破折のレントゲン

神経の生きている歯:
しみるとのことで来院、顕微鏡で観察すると歯が神経まで割れていることがわかった。

神経のない歯:
かぶせ物が外れたとのことで来院
顕微鏡で拡大した歯の中の状態、歯の中にひびが入っているため外れてしまった。

歯根破折がCTで確認できる例:上顎洞炎

右上の通常のレントゲンでみると根の先が膿んでいるように見える。
CTをみると根が折れていることとそれが原因で上顎洞に膿がたまっていることが分かる。

術前写真

レントゲン画像

CT画像
右上顎洞(濃いオレンジ)には膿がたまっているのがわかります。

CT画像

CT画像

歯根破折の予防

完全な予防は難しいですが、歯ぎしりをしない、むし歯を早く治療して神経をできるだけ取らない、すでに神経の無い歯は割れにくい土台を使用することが考えられます。

歯が割れにくい土台 ファイバーポスト

神経のない歯はもろくなり、歯根破折の原因になるので、破折を防ぐために、ガラス繊維強化樹脂で出来たファイバーコアを挿入し、強度を補います

ファイバーコア装着前、この時点で神経を抜いています

ファイバーコア装着

色を確認する

治療終了